「ロタウイルス感染症」を考える

秋から冬にかけて、忘れてはならないものが、ロタウイルス感染症(ロタ)です。インフルエンザは10月ごろから翌春まで、流行します。ロタは少し遅れて11月から年末にかけて流行し、年が明ける頃からノロウイルス感染症(ノロ)が猛威を振るい始めます。
ロタもノロも似たような名前ですが、今回はロタについて考えましょう。生後5ヶ月くらいから5歳くらいまでの乳幼児の誰もがかかる病気であり、数日の経過で軽快します。発症は集団的であり、特に乳幼児では保育園・幼稚園などの集団生活の場で罹ることが多く見られ、抵抗力の弱くなった高齢者が老人ホームや福祉施設などで感染します。
症状の特徴は、感染後2日間の潜伏期を経て、頻回(5~6回/日)の嘔吐、白色の米の研ぎ汁のような下痢便(4~7日間)を呈し、一見コレラと間違えるくらいです。そして発熱がみられますが、ノロよりも、発熱することが多く、通常1~2日間で下熱します。激しい嘔吐と頻回な下痢のため、患者さんは脱水症を起こしやすくなります。
では、どこから感染するのでしょうか。ロタは非常に感染力が強く、僅かなウイルス数でも、感染します。下痢などの糞便中のウイルスが、乾燥し、空気中に浮遊したものが経口的に入る場合、糞便、オムツなどに触れた手から、ドアノブや手すりを介し或いは直接的に感染を起こす場合があります。
ロタを制御する薬剤はありません。症状経過にあわせ、対症療法を行います。家庭では、下痢をしていても、水分および電解質の補給に努めてください。スポーツドリンクなども良いでしょう。下痢症状が続くと、これを止めたくなりますが、下痢止め薬は原則投与しません。腸管内で増殖しているウイルスを排泄してしまう狙いがあります。
ロタのような短い潜伏期の感染症では、罹っても免疫が形成されにくく、感染を繰り返すことがありますが、年長児や大人では罹っても症状の出ない場合があります。(不顕性感染)
感染の拡大を防ぐためには、患者さんの吐物や汚物の始末には、ディスポーザブル手袋を使用し、直接的感染を防ぎ、ビニール袋などに始末し、ウイルスの飛散を防止することが大切です。その他、衣類、おもちゃ、タオルなどの熱湯消毒や薬剤消毒を行い、共用を避けることです。


















